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YOUたち、これ読んじゃいなよ。感想書いちゃえばいーじゃない。

きつねのはなし

きつねのはなし

著者 森見 登美彦

ジャンル

小説

「知り合いから妙なケモノをもらってね」篭の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという家宝を持った女が現われて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は?底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。

レビュー

最近森見登美彦作品をいくつか読んで気に入っていると話したら、
その森見登美彦と京都大学で同級生だった友人がこの本をくれた。

くれる時に、「面白くなかった〜」と感想をつけてくれたけど、
読み終わった時の私の一言も…
「なんか面白くないっ」。

私が森見登美彦を気に入っている理由は
まず初めに古風な口語のまざる文体が作る、ふざけているような雰囲気が
楽しくて仕方ないところにある。

そして現実と夢の間の狭間のような不思議な世界を
いたってマジメな姿勢で描いているところがたまらなく気に入っている。
その狭間の世界には、水と油の接触面を漂うような浮遊感があってとても心地いい。

今のところ、
「夜は短し歩けよ乙女」「太陽の塔」「四畳半神話大系」と今回の「きつねのはなし」を読んだが、
いずれも多くの共通点がある。
というか、同じ話。と言ってしまいたいくらい似た題材を扱っている。

舞台はいつも京都。
主人公はさえない大学生。
下賀茂神社の古本市や叡山電車、着流しの正体不明の男性など
おなじキーワードが何度も登場し、
いつも障子の向こうにはひっそりと異世界が存在しているのだ。
あきらかに別のお話でも登場した人物が再登場することもある。

初めはネタの少ない作家のように見えてそれが気になったりしていたけど、
読む本が増えてくると、そうじゃなくて、同じ題材なのに視点を変えて、
いくつでも新しい話しを書くことが出来る人なのではないかということに気がついた。
同じ部屋に置いてあるひまわりを、何通りもの描き方でえがける画家のように。

そうすると今度は以前にも出会った題材を探すのも楽しみの一つになってきて、
いつの間にか森見ワールドの虜になっちゃっていたのだ。

この本は4つのお話から成っているが
やはり似た題材を別方向から切り取ったような組立て方になっている。
そしていつものように現実の中に狭間の世界が見え隠れするのだが、
今回の場合、その見え隠れが激し過ぎて
なんだか平衡感覚が無くなって行くような気分になって、
なんてゆーか、「悪酔い」してしまった。

森見ワールドの引力は半端ないのだ。
すごく不思議な現象をいたって自然に書く。
山道を歩いていたら、いつのまにか妖怪の森に迷い込んでるんだけど、
あまりに自然に迷い込みすぎて、妖怪と出会っても
近所のおじさんに出会ったかのごとく違和感がない。そんなかんじ。

私は会社の行き帰りとお風呂で本を読む習慣があり、
この本はほとんどお風呂で読んだけど、
強力な引力で迷い込みすぎてなかなか帰って来れなくなって
お風呂から上がるタイミングを失って、二度ほどのぼせそうになった。

それくらい森見ワールドの引力は半端ないのだ。
そして4話とも私は不思議世界に行ったまま帰ってくることなくお話が終わってしまったように思えて、
まさに「きつねにつままれて」しまったような気分になりっぱなしだった。

どんな小説も自分なりに消化しないと気が済まない私はなんかくやしくて、
冒頭の台詞に至るのである。

「なんか面白くないっ」。

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