アラダス読書部

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YOUたち、これ読んじゃいなよ。感想書いちゃえばいーじゃない。

インバウンド・マーケティング

インバウンド・マーケティング

著者 ハリガン ブライアン、シャア ダーメッシュ著 川北 英貴(監修) 前田健二 (翻訳)

ジャンル

ビジネス

すでにマス・マーケティングの時代は終わりました。
これからは、自社あるいは自社製品を知らしめるために大枚はたいて広告宣伝をするのではなく、
お客さんの方から「見つけだされる」ことが重要なのです。
お金ではなく、知恵を使って「見つけだされる」ための秘策が満載です。
アマゾンキンドルで大評判を博した「INBOUD MARKETING」、待望の日本語版です。

レビュー

wwwに世界が覆われてから人々の消費行動が劇的に変わった事は、誰の目にも明白である。

旧来の「正しいと証明され、実行されてきた」マーケティングテクニック
(DMを大量に送ったり、お金をかけて広告を作ったり、展示会を開催したりする)
はもはや消費者に届かない!

確かに私達は新聞や業界紙は読まないけど、yahooニュースや知識ある人のブログは毎日見ている。
営業さんからの電話は取り次がないし、
企業からのDMメールは出会い系迷惑メールと一緒にタイトルさえ読まずに削除しているけど、
誰かがつぶやいたり、いいね!って言った情報は興味を持って見ている。

本書は、サーチエンジン、フェイスブック、ユーチューブ、ツイッター等の
いわゆるソーシャルメディア等を使い、「消費者自らに見つけてもらう」新しいマーケティング戦略を提案する。

どちらかといえば、個人対象というより、
今後ネットを使ってなにかしらの新しいマーケティングを行わなくてはならないと思っているものの
具体的に何から手を付けていいか模索している企業向けの入門書と言える内容となっていたが、
直接マーケティングを必要としない人でも
あらゆるビジネスの将来のを占う意味でも読み応えのある内容になっていた。

自分のウェブサイトをハブにする方法、
サイトは見た目より内容、「突き抜けたコンテンツ」の作り方、
簡単なSEO対策も紹介されているし、
これからのマーケティングに必要な人材の傾向も書いてある。

そのほとんどが簡単な事だけど
具体的で今すぐ取りかかれる事ばかりなので、なんだかやる気になってきちゃうのだ。

例えばブログの書き方も紹介されているが、内容はこんなかんじ。

・自社の業界における何らかの分野に特化する事。
(くれぐれも週末のスキー旅行、野球の試合結果について、趣味のフィギュア集めについて触れてはいけない)
・記事の長さは1ページ以内にすること。
・継続させる事(週に1回は更新しよう)。
・キーワードを含む事(検索されやすくなる!)
・魅力的なタイトルを書く事
(例えば「エキスパートのようにグーグル検索する12の速攻ワザ」具体的な数字があるとなおよし。)

どれも当たり前だし、ちょっと頑張ればできる気がスゴくしてくる。
しかも各章の終わりに、ご丁寧にもその章に関連した実際のサイトを紹介し、
内容をまとめて、ToDoリストまで書いてくれているので
まさに実践的。(ただ紹介されているサイトがみんな英語でちょっと分かんないのが残念…)

特にこの本の私が気に入ったところは、提唱するマーケティング戦略が、
機械的で暗示にかけるような押し付けがましいものではなく、
とても人間らしく、消費者に対して誠実なところだ。
「インバウンドマーケッターの真の目的とは、
顧客と血の通った生産的な関係を構築することにある。」

前書きにあった【今日のマーケティングは「面白く」なったのだ!】の意味がよく分かる、
まさに今読むべき、楽しいネットマーケティングの教科書。


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