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株式会社aradas

アラダスカレンダー

2022.8.1

やさしい循環の物語【8月】 〜小さな思いやりが、やがてやさしい未来を作る〜

~8月 アラダスちゃん、お魚の気持ちになる~

「これは絶対にうまくいくぞ!」と、アラダスちゃんはひらめきます!
工房に戻りながら、海での出来事やカメの顔を思い出します。

久しぶりの海、大きな海を見て大興奮、楽しい気持ちを抑えることができなかったアラダスちゃん。
ついつい釣ることに夢中になってしまい、あたりのお魚をほとんど釣り上げてしまいました。
ふと見ると案内をしたカメは少し不安顔。。

「あっ。。。」と我にかえるアラダスちゃん。。

「やりすぎた。。」
「調子にのりすぎた。。。」
「どうしよう。。。」
「あ〜。。。」
「カメ。。。」
「ごめんね。カメ。。。」
「お魚。。。」
「お魚。。。が帰ってくるような。。。」
「お魚が。。。好きそうな。。。」

「そうだ!」と、お魚の気持ちになってひらめきます。

お魚が帰って来られて、そこで暮らしていけるおうちを作ってあげれば、
きっと、また魚がいっぱいの海になるはず。「そう閃き…」はトル
アラダスちゃんは一人、想像をふくらませ、楽しくなってきました。

アラダスちゃんはもう止まりません。早速、工房に帰ってきたアラダスちゃん。
大きな丸太を何本も何本も荷車に積んでいきます。
善は急げと、海に早く戻りたい気持ちを抑え、街のみんなに釣った魚をおそすわけ。
さぁ、いざ海へ!

戻ったアラダスちゃんは海に潜って、お魚の様子を見てみます。
岩陰や海藻の中、お魚はそこかしらの物陰に隠れているようです。

「そっか、お魚はあぶないと感じたら見つからないように隠れるんだ」
小さな物陰をよく見ると、そこには卵やお魚以外の生き物もたくさんいるようです。
「やっぱりそうか、大きなおうちを作ってあげてそこに住んでもらえば、どんどんお魚が増えるぞ!」

アラダスちゃんは、海から上がり、大きな丸太を組み立てていきます。
海の深さやお魚の好きそうな場所を想像し、お魚になった気持ちで組み立てていきます。

そんな様子を見て、カメが近づいて聞いてきました。
「これをどうするんだい?」
アラダスちゃんはカメにこう言います。
「釣りすぎてしまったから。。。でも、もう大丈夫!これでお魚いっぱいの海に戻るよ!」
カメは半信半疑。
けれど、なんだか楽しげに話すアラダスちゃんを見ているとカメも楽しく、そして幸せな気持ちになってきました。

「お魚が好きな場所を案内するよ、ついてきて!」

アラダスちゃんは組み立てたお魚のおうちを海に沈め、カメに引っ張ってもらいます。
作ったおうちをあっちにこっちに置いていきます。

全部を置き終わった頃、隠れていたお魚がどうやら興味を示したのか、
出たり入ったりしているようです。

そんな様子を横目に、アラダスちゃんとカメは満面の笑みで海から上がります。
うまくいきそうと、アラダスちゃんとカメは確信します。

アラダスちゃんはまた材料を取りに工房に、
荷車に積んだらすぐに海へ行きおうちを作る。
それをなんども繰り返しました。

夢中になって繰り返している、ある日、
海の中にはたくさんのお魚が群れをなしていました。
なんと、お魚たちがおうちの中に卵を産み、それがかえり、
大きくなり、また卵がかえり、
アラダスちゃんが作ったおうちを中心に豊かな循環が生まれていました。

アラダスちゃんとカメは一安心。

次号につづく
(9月のカレンダーブログもお楽しみに)

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