こんにちは、aradas東京のfcと申します。
気づけばWeb業界で働きはじめて長い月日が経ったおじさんエンジニア、ディレクターです。
移り変わりの激しいインターネット・Webの業界ですが、Web黎明期から見続けたこの業界の歴史をざっくりとまとめてみようと思います。先日社内勉強会でも話した内容のまとめ+αの内容です。
第1回目の投稿となる今回は、インターネット、Web業界の歴史ざっくりまとめ【Vol.1 インターネット編】です。僕が見てきた(主に日本国内の)インターネット史です。
平成生まれの人たちにはそんなことがあったんだーと新鮮に思ってもらえて、昭和生まれの人たちには懐かしい…とノスタルジーを感じてもらえたらと思います。
インターネットの誕生
インターネットの起源をたどれば電気通信網など19世紀まで遡ってしまいますが、アメリカの教育・研究機関の間で行われていた通信ネットワークを元に全米、全世界へと拡張されていき、商業的な面で現在普及しているインターネットの形になったのは1990年代半ばです。
Windows95の登場
1994年に発売され爆発的に普及したOSであるWindows95にインターネット接続機能が搭載されていたことをきっかけに日本でもインターネット接続が容易になりOSとともに普及しはじめました。
Yahoo!の登場
当初はWebサイトへのアクセス手段がURLの直接入力やリンクを辿ること方法がメインでした。そんな中、1995年に登場したYahoo!がWebサイトへのアクセスを一気に便利なものにしました。Webサイトを検索することができるようになったのです。ジャンル・カテゴリに分けられて登録されたサイト一覧から個々のWebサイトへアクセスができるようになりました。
当時のYahoo!の検索エンジンは掲載申請のあったものが掲載されるような仕組みでした。掲載申請のあったカテゴリに対しての審査などもあり、ディレクトリ型検索エンジンと呼ばれていました。
1996年頃にはソフトバンクが出資する形でYahoo! JAPANも開設され、インターネットの便利さがアップし利用者が急増するとともに、「インターネットを利用する = Yahoo! JAPANを利用する」と言っても過言ではないほどYahoo! JAPANのシェアはそれから10年以上日本国内では圧倒的でした。
ダイヤルアップ接続
現在はインターネットの常時接続が当たり前ですが、1990年代はそうではありませんでした。当時のインターネットへの接続には電話回線を使っており、モデムなどからプロバイダの接続先電話番号に電話をつなぐ(ダイヤルする)ことで接続していました。これをダイヤルアップ接続といいます。
ダイヤルアップでのインターネット接続時には「ピーヒョロロ〜」という電話をかける音がモデムから流れるため、当時を知る人には懐かしい音でしょう。笑
テレホーダイの登場
ダイヤルアップ接続ではインターネット接続中はずっと電話をかけっぱなしになるため、通話料が高額になることや、接続中の電話回線はずっと話し中になるという問題がありました。そのため特に一般家庭では接続時間と電話料金を気にしながらインターネットをしなくてはいけませんでした。
そんな中、NTTから「テレホーダイ」という電話のオプションサービスが登場しました。これは23時から翌朝8時までの深夜早朝時間帯に指定した電話番号には通話時間にかかわらず月額一定料金になるというものでした。
このテレホーダイを利用することで、夜中であれば実質インターネット接続し放題となるため夜中のインターネット利用が急速に増えました。23時過ぎになると日本中の家庭で「ピーヒョロロ〜」という接続音が鳴っていました。笑
ADSLとYahoo!BBの登場
1990年代後半頃になるとインターネット接続の手段として、電話回線とともに既設されたメタリックケーブルを通信網として利用するADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)が登場しました。Asymmetric(非対称)という名称になっているのは上り(アップロード)と下り(ダウンロード)で速度が違う(非対称)だからです。
これまでのダイヤルアップと違い、飛躍的に通信速度が向上することと、接続時間にかかわらず料金が一定の常時接続ができるようになりました。しかし利用料金はそれなりに高価でした。
そんな中、2001年にソフトバンクがYahoo! BBというADSLでの接続サービスを開始しました。この料金が破格の安さで、一般家庭のADSLやインターネットの利用のハードルを一気に押し下げました。
Yahoo! BBはその営業・販促がすさまじく、Yahoo! BBのロゴが入った赤い袋にモデムを入れて街中で配りまくって契約を取りまくる光景があちこちで見られました。僕自身もバイトで赤い袋を配っておりました。笑
その後、光回線などが普及して今日に至るわけですが、家庭でのインターネット利用環境の劇的な変化でいえばADSLとYahoo! BBの登場が最もインパクトが大きかったと思います。
携帯電話の普及
家庭でのPCやインターネットの普及よりも速く普及したのは携帯電話でした。1990年初旬に小型化されたことをきっかけに、すぐに一人一台が当たり前となりました。このときはまだ今で言うフィーチャーフォン(ガラケー)です。
iモードの登場
携帯電話をほぼ一人一台持っていた1999年、NTTドコモが携帯電話でインターネットを利用する「iモード」を開始しました。インターネットの利用はPCですることが当たり前だった時代に、小さい携帯電話でインターネットができたのは画期的なことでした。
Eメールのアドレスを使ったメールのやり取りが携帯でできることや、サービス開始とほぼ同時に銀行振込なども携帯電話から行えたのは本当に驚きました。iモードの普及とともに他キャリアも同じように携帯電話からのインターネットサービスをはじめました。
携帯電話のガラパゴス化
日本では携帯電話の普及率の高さに加え、単なる通話だけでなくiモードなどのインターネット接続サービスの利用者も急増し、さらに日本の大手家電メーカーはこぞって携帯電話を開発していたこともあって、日本国内の携帯電話業界は目覚ましい発展をしました。
しかし、世界の携帯電話事情を置いてきぼりにする勢いでの発展であったため、国内メーカーの携帯電話はどんどんと日本仕様に特化したものとなっていきました。当初はそれで良かったのですが、携帯電話がある程度の性能まで達すると国内での売上は伸び悩むことになりました。そこで海外にも販売したいところだったのですが、日本の携帯電話はあまりにも独自進化を遂げていたため、そのさまをガラパゴス化と揶揄され、国内の携帯電話はガラパゴス携帯(ガラケー)と自虐的に呼ばれるようになりました。
ちなみに僕はNokiaやEricsson、MOTOROLAなど海外メーカーの携帯ばかりを使っていて、「人と違う俺かっけーw」という少々痛い携帯ライフを送っておりました。
iPhoneの登場
日本では携帯電話のガラパゴス化がどんどん進んでいき、これでもかっていうほど独自進化を遂げていた2007年、AppleがiPhoneを発表しました。
携帯電話のような小さいPCのようなデバイスはそれまでにもありました。僕も最初の職場では当時としては画期的なタッチパネル式かつキーボード付きのウィルコム「W-ZERO3」という携帯電話を支給されていました。しかしそのときはまだスマートフォンという名称すらありませんでした。
そんなときに唐突に発表されたiPhoneは、静電式タッチパネルという先進的なUI、そしてその操作性の良さと外観のスタイリッシュさが超衝撃でした。小型PCとも言える携帯電話であるスマートフォンはそこまで需要があるとは思えませんでしたが、iPhoneの登場は携帯電話の新時代が来ると感じざるを得ませんでした。
スマートフォンの普及
iPhoneの登場により、携帯電話の流れは一気にスマートフォンへと動きました。その後にGoogleが無料のOSであるAndroidを発表したことにより、携帯電話メーカーはガラケーからスマートフォンへとメインの開発製品をを変えていき(変えざるを得なかった)、ガラケーはあえなく終焉を迎えました。
ガラケー末期には、ワイヤレス充電(線をつながなくても置くだけで充電できる)製品が出ていたり、ものすごく進化してたんですけどね…それから10年近く経った今、ようやくスマホでもワイヤレス充電ができるようになりはじめました。どんだけ進んでたんだガラケーすごい!
2020年、インターネットは5Gへ
元号が令和に変わり、スマートフォンが一人一台となった現在。2020年には無線通信システム(携帯回線)の新規格である5Gが商用化されると言われています。
5Gでは実測で700Mbpsを超える速度も出るとのことで、その速さはスマートフォンで映画などの大容量動画のダウンロードが数秒で出来てしまうレベルです。なんなら光回線より速いです。こうなったらもう家庭にインターネット回線を引く必要するなくなる気がします。
5GになったらWeb制作はどう変わるのか?
5Gがあたりまえになったときには、Web制作においてはコンテンツサイズなどを気にする必要が無くなりそうです。そうなったらどなるかをぼんやり考えてみました。
5GになったときのWebを考えてみた
- 日本語Webフォントも余裕で使えるのでデザインの幅が広がる
- 画像も最大解像度の端末基準で作成しても問題ないかも
- というか動画がメインコンテンツになるかも
と、すぐに思いつくのはこんなところですが、5G時代のWebについての予想はまた別の記事で書いてみようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、インターネット、Web業界の歴史ざっくりまとめ【Vol.2 Web制作編】を予定しております。