みなさま、いかがお過ごしですか。
7月のテーマは「インタビューについて」。
ライターという仕事がら、多くの人にインタビューをしてきました。
振り返れば、取材した企業の数は5000社を軽く越えました。1回の取材でインタビューをするのはひとりとは限らず、2人、3人のときもあるので、少なく見積もっても7000人以上にインタビューしたことになります。
自分でもびっくりしています(笑)。
そこで、今回は私なりに培ってきたインタビューについて思うことをお伝えします。
極意というほどたいしたものではないのですが、
みなさんがもし社内でインタビューをするようなことがあれば、ヒントにしてもらえたら、
うれしいです。
長くなるので、2回に分けます。今回は前編ということで。
私の場合、インタビューをする対象者は企業の社員のみなさんや経営者です。
社員さんの場合は新入社員もいれば、ベテランも。幅広い年齢層の人にインタビューを行ってきました。採用コンテンツを制作する場合は採用担当者も多いですね。
インタビューをするときは必ずテーマがあります。テーマや目的のないインタビューは存在しないと言っていいでしょう。
インタビューを実施する前は、まずは目的を明確にし、それに沿った質問を想定します。
では、インタビューで私が大切にしていることをいくつか挙げてみますね。
ただし、あくまでもこれは私の考え。いろいろな考え方や方法があるということはご了解下さい。
最初の質問は、あまり深く考えなくても答えられる内容を
最初の質問は、どのような内容が良いのでしょうか。
私は、最初の質問は「あまり考えなくても、答えられるもの」にしています。
社員インタビューであれば、
所属部署や入社年など。これらは事前にインタビュアー(質問をする人)である私に知らされていることが多いのですが、確認も兼ねて質問をします。
これらの質問であれば、何をどのように話そうかと考えなくても、答えられる場合が多いため、対象者の緊張を解くこともできますし、少し構えた気持ちで臨んでいる人に対しても、ひと呼吸置ける質問として効果的です。いわゆるアイスブレイクですね。
迷い道に入ってしまったら、途中で交通整理をする
インタビューは常に理路整然とスムーズに進むとは限りません。むしろ、スムーズに進むことができたら、ラッキーかも。
取材対象者の話がわからなくなってきたら、途中で話の整理をしてみることをお勧めします。「さきほどのお話なのですが、こういうことですよね」とか、「いまおっしゃられていることは、少し前に話されていたことに続きますか」など、聞いてみると良いと思います。取材対象者の立場で考えれば、自分自身の「あたりまえ」になっていることや通称を交えて話を進めていることに気づかないこともあります。これは、お互いに初対面なので、ごくあたりまえに起こることで、誰が悪いわけでもないのです。
話の交通整理をすることで、相手も「そこが通じていなかったのだな」とか、「別の表現で話してみようか」など、考え直してくれる場合が多いため、この交通整理の後はスムーズに話が流れ、むしろ相手が積極的に向き合ってくれる場合があります。
また、素直に「わからないこと」を伝えることで、距離感が縮まることもあります。
話を理解していることを表情で伝える
取材対象者にとっては、インタビュアーがどれくらい自分の話を理解しているのか、気になるものです。専門用語を理解できているのか、わかっているのか、それともわからないのか。インタビューが始まったら、対面であっても、webでのインタビューであっても、うなずくなど、必ず相手に「わかっていますよ」ということを表情や身振りで知らせましょう。
このとき、つくり笑顔やわからないのにわかっている様子をするのはNG。つくり笑いは相手に伝わります。私はインタビュー中は軽く口角を上げる程度にしています。
へりくだり過ぎない。相手にはフラットな気持ちで
社長やそれに近いポジションにいる方とインタビューをするときに気をつけているのは、必要以上にへりくだり過ぎないこと。確かに社長にインタビューをするときに多少緊張はしますが、私はあえて「何でも聞いてみよう」というオープンな気持ちで臨んでいます。
多くの社長は自社の歴史や強み、社風などをよく知っています。さまざまなテーマで取引先や顧客と話す機会が多い立場にある人です。つまり、「他者に聞かれることに慣れている」のです。聞かれたことには答える。そんなおおらかな気持ちでインタビューの席についてくれる社長がほとんどです。社長に胸を借りるつもりで思い切った質問をしてみましょう。
また、社長に限らず言えることですが、私は取材対象者には常にフラットな気持ちで臨んでいます。フラットとは先入観や固定観念にとらわれない姿勢。「新入社員だから、まだ会社や仕事のことはわからないだろう」など、思い込みは対象者に失礼ですし、そうとは限りません。
役職や年齢に関わらず、まっすぐ素直な心で相手に臨む。この姿勢はインタビューの基本です。
前編はここまで。次回もインタビューについてのポイントと心構えをお話しします。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
暑すぎた7月。ネットやテレビのニュースで「今年は過去最高の暑さ」というフレーズを毎年見たり、聴いたりしているように思うのは私だけでしょうか…。多少気分が上がった日にシールを貼ってみました。案外多かったです。