このシリーズでは、アラダスが制作を手がけたwebサイトの詳細をご紹介していきます。
サイトの構成や取材の進め方、お客様との向きあい方など、Web制作のリアルをご紹介!
さまざまな視点からアラダスのつくり方をみなさんにお伝えします。
第一回は京都の老舗着物店〈大松〉様。
どうぞご覧下さいませ。
京都の老舗が培ってきた伝統とモダン、
両方の魅力を引き出し、
新たな価値を発信できるサイトへ
企業データ
• 社名:大松株式会社
• 本社:京都府京都市
• 創業年:1939年
• 事業内容:総合ファッション製品の企画、呉服、アパレル、テキスタイル、宝飾品、
バッグなどの服飾雑貨の卸し販売
• 制作内容:コーポレートサイト・新卒採用向けサイトのリニューアル
大松様について
大松様は京都市中京区に本社を置く着物の卸販売会社です。創業80年以上の歴史を誇り、着物のほか、婦人服、テキスタイル、宝飾品などにも商品分野を広げています。今回はコーポレートサイトと新卒採用サイトをリニューアル。
総合ファッション企業へと飛躍する老舗着物卸店の姿と、社員のみなさんの等身大の活躍を表現しました。
大松様とアラダス
2009年に旧サイトのリニューアルを手がけたのが、大松様との最初のお取引でした。
振り返れば、大変長いお付き合いになります。
今回は、2回目のリニューアル。長く取引をしている企業様だけに、アラダスの制作メンバーも再リニューアルの話をいただいたときは大変喜びました。
コーポレートサイトは従来の老舗着物店のイメージを大切にしながらも、時代の変化を反映した和モダンなデザインに重点を置きました。
また、大松様は新卒生を中心に採用活動を毎年行われています。
着物やファッション衣料を小売店に卸し販売する、いわゆるBtoBの事業であるため、社会人経験のない学生に十分に企画営業職の魅力を伝えられていない現状がありました。
そこで、事業内容や企画営業職の詳細をわかりやすく伝えるため、採用サイトも一新することになりました。
制作の中身 【1】
伝統という言葉が持つ重厚さを、
華やかで親しみやすいものに変える
大松様とのお付き合いはとても長く、事業内容や京都の着物業界における立ち位置、社風などは十分に理解していました。もちろん、小澤社長のお人柄も。
その中で、大松様の事業内容や仕事内容を改めて整理し、等身大の大松様を表現し、時代に即した発信力をまとうサイトを提案することになりました。
制作チームは、お客様と二人三脚で制作を進めるディレクター、その指示のもとでデザインを組むデザイナー、お客様の求める内容や予算に応じて、外部ライターやフォトグラファーも加わり、サイトの精度を高めていきます。
大松様は2009年以来のお付き合いということもあり、ざっくばらんにお話ができたことが、スムーズな進行につながりました。
大松様の本社は京都市中京区室町通四条北入菊水鉾(きくすいほこ)町にあります。本社が面している通りは祇園祭の山鉾巡業の通り道でもあり、祇園祭の期間はお囃子の音とともに豪華な鉾が通る、京都の風情あふれるエリアです。
また、大正時代の山荘「清流亭」を保有し、こちらは国の重要文化財に指定されています。大松様の京都におけるポジションや存在はかなり高いものだと感じています。
サイト制作に向け、本社にうかがいましたが、取材の途中も着物姿の男性客が美しい足さばきで入店する様子が見られ、京都の着物卸店らしい光景に出会いました。
老舗だけが持つ荘厳な雰囲気と日本の伝統に関わる商品を扱う誇り。そんな雰囲気は大松様の強みでもあり、企業風土にもつながっています。
デザイナーが大切にしたのは、老舗の良さはそのままに、現代のテイストを加えること。
コーポレートサイトは全体を通して和と洋を融合させ、歴史ある重厚な京都ではなく、先進や革新を感じさせる和モダンなテイストを心掛けました。
コーポレートサイトのトップ画面を彩るメインビジュアルは市松模様とジオメトリック(幾何学模様)を融合したものを制作。
少し黄味よりの上品な黒で画面を引き締め、金色や紫色も加え、動きのあるビジュアルで華やかに仕上げています。
このメインビジュアルには社名のDAIMATSUをモチーフに仕込んでいます。一見、目立ちませんが、何度も見るうちに「もしかしたら、これ…」と思えるように、デザイナーが遊び心を込めました。
さらに特長としては、縦書きによるコピーです。通常、webサイトは横書きが一般的ですが、こちらのwebサイトでは一部のキャッチコピーを縦書きに配置しました。これにより、和の趣が際立ち、サイト内で効果的なアクセントになりました。
大松株式会社ホームページより
制作の中身 【2】
仕事内容をイメージさせ、興味の喚起につなげる採用情報
採用サイトでは、社員様の生の声を通して仕事内容を伝えています。京都本社と東京の2拠点において10名のインタビューを行いました。
着物の卸販売会社として知名度を誇る大松様ですが、現在はアパレル事業においても実績を重ね、自社ブランドも保有。婦人服や宝飾品などの卸販売を展開しています。
顧客は一般消費者ではなく、小売店であるため、学生には商流ややりがいが見えづらい仕事です。
この課題を解決するため、インタビューでは商品の流れと営業担当者の立ち位置が理解できるように留意。同時に、具体的なエピソードを盛り込み、仕事シーンが想像できるように心掛けました。
また、ひとつの事業部から社員様に数名登場いただくことで、同じ商材を扱っていても、さまざまなやりがいがあり、提案方法があることを伝えました。
ここ数年、採用サイトはwebサイト市場において特に進化しており、ご依頼も増えています。
外部の業者に依頼しなくても、社員の話を社内でまとめ、ホームページに掲載すれば良いだけのように思われがちですが、自社の強みを明確に知り、多くの人に効果的に伝えるのは意外に難しく、客観的な視点を加えるからこそわかることがあり、訴求力も強まります。
明確な意図を持って、経営者や社員様の声を表現することで、「その企業らしさ」を引き出します。この「らしさ」を、コピーや写真を通して応募者の興味と共感につなげていくことが採用サイト成功のポイントであり、アラダスが得意としている部分です。
大松株式会社採用サイトより
大松様の小澤社長は、社員様との関係を、
「会社というより、大きな家にみんなで住んでいる。そんな感じでしょうか。ただし、変えていくべきことはあると思います。デジタルツールも効果的に取り入れ、社員が仕事をしやすい環境にしていきたいですね」と話します。
社員を信頼し任せる気持ちと未来を見据えた柔軟な姿勢は、まさに大松様「らしさ」です。
日本の伝統でもある着物、トレンドを創造するアパレル。
どちらも大松様の姿です。
コーポレートと採用、ふたつのサイトを通して、多面的な魅力を持つ大松様の存在を明確に発信できたのではと考えています。
今回のリニューアルでは、小澤社長から「社外においても大変好評だ」との反響をいただきました。
現在もアラダスと大松様との取引は続き、サイトの更新・保守などの管理を行っています。
サイト構築におけるシステム面の仕様は以下にご紹介しています。
ぜひ、あわせてご覧下さい。
制作実績 – 大松株式会社【2021】
https://www.aradas.net/works/post.php?id=229