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2024.8.30

人が人の話を聞く。 インタビューで大切なこと〜後編〜

みなさま、いかがお過ごしですか。
8月のテーマはインタビューについて。
7月の前編に続き、今回は後編をお届けします。

ライターという仕事がら、多くの人にインタビューをしてきました。
振り返れば、取材した企業の数は5000社を軽く越えました。1回の取材でインタビューをするのはひとりとは限らず、2人、3人のときもあるので、少なく見積もっても7000人以上にインタビューしたことになります。
この経験をもとに、私がライターとして長年行ってきたインタビューについて、思っていることやちょっとしたコツを紹介します。

話が脇道にそれてもいい。でも、必ず戻す

インタビューを行っていると、取材対象者の会話がときどき脇道にそれてしまうことがあります。
これは、会話が弾んでいるときにたまに起こります。
そんなときにインタビュアーである私はどうするかというと、あわてたり、あせったりせず、まずはその話をしっかりと聞く姿勢を持ちます。
なぜなら、テーマと関係のない話のように見えて、実はテーマとつながっていることも多々あるからです。それに、その話は取材対象者が「話したい」内容だから。
話したいことを話してもらう。
これはインタビューの原点であり、簡単そうに見えて実は少し難しい。私は取材対象者の「話したい、伝えたい」を大切にしたいと思っているので、話したいことはちゃんと聞くようにしています。

一方で、インタビューには制限時間が設定されていることがほとんどです。あまり立ち止まってしまうと、本来聞かなければならないことも聞けなくなってしまうのが苦しいところ。
それを避けるために、「いま、話がそれている」ということを認識することが大切です。
そして、必ずもどす、ということ。
対象者の話を遮るのではなく、もどすタイミングを狙い、必ず軌道修正をします。

具体的なエピソードを盛り込むことで、話がわかりやすくなる

私は採用サイトの取材で、社員さんのインタビューをする機会が多くあります。質問内容は仕事内容やそのやりがい、なぜこの仕事を選んだのか、今後の目標などです。もちろん、テーマによって、さらに質問内容を広げることもあります。

仕事内容を聞くときに注意しているのは、抽象的な話で終わらず、具体性を持たせることです。
たとえば、営業職を例にとると、
「お客さまに商品を販売する営業職」の場合は、お客さまとは誰なのかということを明確にしていきます。
個人の場合もあれば、法人や官公庁の場合もある。「お客さま」という言葉は実はとても範囲が広く、原稿に反映したとき、読み手がイメージしづらい言葉なのです。
「どのようなお客さまに何を販売し、どのような方法で提案をするのか。どこからどこまでが営業の範囲なのか」を質問しながら、営業職の全容をあきらかにしていきます。

また、具体的なエピソードも聞きます。こんなことがあった、あんなことがあったなど、
具体的に伝えることで、わかりやすくなるからです。
もちろん、お客さま同士で交わしている守秘義務の範囲内で。
話に具体性を持たせるのはインタビューにおいて必須のように思います。

流行のビジネス用語を使い過ぎない

洗練されたインタビューにしたいと思うあまり、ビジネス用語を連発するようなことはしない方が良い。私はそう思っています。
流行のビジネス用語を使い過ぎると、インタビュアーばかり得意な気持ちになり、対象者に不快感を与えることがあるからです。
ビジネス用語は英語が多く、かっこいいし、なんとなく賢そうに聞こえます。
でも、日本語で話をしているのだから、基本は日本語の単語で。ただし、英語に置き換えた方がわかりやすい場合や、取材対象者が所属している業界では英語で表現することがあたりまえになっている場合は例外です。

ここ数年、特に日本のビジネス界においても英語で表現する用語が増えました。
SDGs(持続可能な開発目標)もそうですね。
国際的な会議で決められたことや世界規模で考えていくテーマなどはやはり英語。
日常で英語を使うことは少なくても、英語で表現された言葉には日頃から興味を持っておくこともインタビューをする上では大切です。

また、英語・日本語に関わらず、わからない言葉があれば、わかったようなふりをするのではなく、その場で取材対象者に聞いてみても良いと思います。もちろん、あまりにも基本的なことを聞くのはインタビュアーの勉強不足を露呈することになるのでご注意を。

前編と後編に分けてご紹介した、インタビューのノウハウ。
いかがでしたでしょうか。
このブログを書きながら私が感じたのは、人が人に聞いたり、話したりする行為はとても尊いものなのだなということ。
人間が一生懸命質問をし、それに一生懸命応える。
間違えたり、言い直したり、確認したり、ときには脇道にそれたり。
そんな行為の中で、互いに歩み寄ろうとする。
この先、AIがどれほど進化をしても、人間にしかできないことはきっとあり続ける。
不完全な人間だからこそ生まれるものがある。
そう思いました。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

何かひとつでもうれしいことがあった日にシールを貼りました。個人的に、8月のカレンダーの色のトーンが好き!なんだか涼しそうだし…。暑すぎやしませんでしたか、今年の夏…。9月からは少しずつ過ごしやすい日が来れば良いなと思う、8月でした。そして、アラダスは今年、なが〜い夏期休暇を設けました!みんな、のんびり楽しく過ごしたようです。

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